夫が脊髄を損傷してから半年が経ちました…妻の心境と将来のこと

2020年9月6日で、夫が脊髄を損傷してから半年が経ちました。
自分語りですが…これまでのことと、これからのこと。私(妻)の心境を残しておこうと思います。
亜急性期に再生医療を行った結果
私のTwitterをフォローされてる方は恐らく気になっていると思います。夫が受けた再生医療の結果を。
申し訳ないのですが、病院から口止めされているので多くは語れません。
事実として一つ申し上げると、これから身体障害者手帳を申請するために動きます、とだけお伝えしておきます。
ただ私は「なーんだ、期待されてるけど結果そんなもんなんだ」とは思いません。
再生医療という現時点で最善の治療を行えなかったら、きっと私たちは


再生医療を行っていたら結果が変わっていたのかな
と、いつまでも後悔することになったでしょう。
出来る範囲で出来る限りの治療をしたが、車椅子ユーザーとなってしまった。
それだけでも心の在り方は全然違うのではないでしょうか。
これは受傷当時から思っていて、だからこそ全力で再生医療を受けられる病院を探しました。再生医療という治療法を教えてくれた実姉には本当に感謝です。
なので結果はどうであれ、今この現状に特に不満はありません。悲しいですけどね。
人は自分のためには頑張れないけど、誰かのためになら頑張れる
突然ですが、ここで私の人生で辛かった体験ベスト3を発表します。
第3位は、ペットのウサギが亡くなったこと。
関連記事高齢ウサギが要介護状態に! 別れの日が来る前にしておくべきこと
第2位は、夫に一度婚約破棄されたこと。
そして第1位は高校を中退したことです。
関連記事高校を1年で中退…当時は不幸のどん底だったけど、その後は人並みに生きている話
自分でも結構衝撃なのですが、夫が脊髄を損傷して車椅子ユーザーになったことは第4位なんです。
いやいや大変さが段違いじゃん! 明らかに今回の件が1位でしょ! と思う方もいらっしゃるかもしれません。
でもね、私は思うんです。
高校中退は、メンタルが地の底に落ちても自分一人で頑張らないといけませんでした。
もちろん家族や周囲の人は凄い心配して助けてくれたのですが、結局そこから這い上がるのは自分の精神力が必要です。
婚約破棄もしかり。大好きな夫(当時は彼氏)に見放され、一人で絶望の淵に立っていました。
しかも今後何をどう頑張ればいいのか分からない状況で、落ち込む気持ちを他の原動力に変換することも出来ず。ただただ毎日泣く日々。
ペットの死亡はもう…昨日まで生きていたものが居なくなってしまう喪失感が…。でも夫が一緒に悲しんでくれたので比較的すぐに立ち直れました。
つまり何が言いたいのかというと、人は自分のためにはそれほど頑張れないけど、誰かのためだったり、誰かと一緒なら力が湧いてくるんだよ!ってこと。
お互いを想う気持ちが原動力となり、夫はリハビリ・私は情報収集+バリアフリー住宅の新築計画に奔走しています。
一人で毎日泣いていた高校中退した頃と今とを比べると、悲壮感はさほどありません。
というか夫が頑張り過ぎ。リハビリの中で最高難易度と言われている床から車椅子への移乗を、受傷5ヵ月で出来るようになってしまいました。いや、嬉しいけどさ。
私も負けじと頑張らないとな、と思います。
ただホルモンバランスが崩れたときはメンタルガッタガタになりますけどね…。誰が悪いわけではないのに、誰かのせいにしたくなったり。毎月泣いてる。ぴえん。
いつかまた歩けるようになる! 希望は捨ててません
職場で大号泣している私を見かねて、上司がDVDを貸してくれました。JIN−仁−です。
現代の脳外科医が幕末時代にタイプスリップするお話。有名作ですね。
それを見て思ったのは、医療は確実に進歩しているんだな、ということ。
今では適切な治療を受ければ助かる病気も、過去はそれすらなく助からなかったわけで。
再生医療という治療法も、数十年前には無かったわけで。
ここ数年は良い研究結果が出たとか良い治療法が見つかったとだけ騒がれて、あまり進んでいないように感じますが、それでも一歩一歩進んでいることは間違いないと思ってます。
ペニシリンだって実用化するまでに10年以上かかりました。気長に、希望は捨てずに、いつかまた並んで歩ける日を待ちたいと思います。
まぁ脊髄損傷者が大変なのは歩けないことだけではなく、排泄障害ももれなく付いてくることなんですが…これは歩けるようになれば少しは改善されるはず。
というわけで再生医療分野は今後どんどん成長していくので…株買っとこう。(実用化されないこともあるので、個別株の中でもバイオ株は超ハイリスクハイリターン)
脊損夫とその妻の人生設計…子どものこと
今後の人生についてです。
30代半ばの夫と私。実は受傷前はゆる~い妊活をしてました。
しかし車椅子となってしまった以上、自然妊娠は難しく…。
となると選択肢として挙がってくるのが不妊治療ですが、健常者でもハードル高いのに…と思ってしまいます。しかも高齢出産に片足突っ込んでます。
じゃあ2人でのんびり生きていくのか。と考えましたが、先述の通り、人は自分のためにはそれほど頑張れません。
もし夫が若くして亡くなってしまったら。
夫を看取ってから天寿を全うするつもりの私の方が先に死んでしまったら。
果たしてその後、残された方は生きる気力があるのでしょうか。お互い大好きすぎるから、生きられるかめちゃくちゃ怪しい。(2番目に好きな人と結婚しなさい、と言われてるのはきっとこういう理由なんだろうな…)
完全にエゴですが、自分たちが今後生きていく糧として子どもが欲しいです。
健常者だった頃から2人で話していたことがありまして。
「もし子どもが出来なかったら、里親になるのもいいかもね」と。
私たちは、血の繋がりはそれほど大きな問題ではないと考えています。
大事なのは家庭環境。そこで育む絆。長い年月をかけて、家族になっていくものだと思います。
様々な問題で親と一緒に暮らせない子どもの、安心できる場所になれれば。
簡単なことではないと承知してますが、夫が落ち着いたら行動してみるつもりです。
これに関してはブログに書くことではないと思ってますので、ある日突然子どもの話をしだしたら、そういうことだと思ってください。笑
里親制度を活用すれば障害者でも親になることができます。障害を理由に差別されることはないと、日本せきずい基金の資料にありました。
まぁ障害者でも子育て出来るような環境が整ってなければ、適正なしとかでお断りされるのかもしれません…。当然っちゃ当然ですね。
希望ある未来のために、私たちが今できること
さて、期待されているiPS細胞の実用化に向けて、一般人の私たちにも出来ることがあります。
寄付と、ドナー登録です。
先立つもの(研究費)が無ければ、その先も無い。悲しいかなこれ真理。
寄付はクレジットカードが使えますし、Tポイントでも可能です。
医療費がかさんでヒーヒー言ってる我が家ですが、少しばかりTポイントで寄付しました。お役に立ちますように。
ドナー登録も始まっています。
私は献血のついでに骨髄バンクに登録しました。詳しくは下記のページをご覧ください。
参考「医療用iPS細胞ストック構築に関する研究」への協力に関するQ&A集 – 日本骨髄バンク
誰かのためではなく将来の自分のために、でいいと思います。
今は健康なあなたでも、いつどんな病気や怪我に見舞われるか分かりません。
実際私もこうなってから初めて寄付やドナー登録しました。今まで無頓着だったことを反省してます…。
一人一人の力は微々たるものでも、集まると大きな力となります。
多くの人にとって少しでも明るい未来になりますように!
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