車椅子ユーザーが本当に使いやすい外構とは? スロープがあればOK…じゃなかった!
車椅子ユーザーとなった夫のために家を建てました。今回は外構についてお話します。
介助の有無に関わらず、車椅子ユーザーがいる家庭は家の外構もバリアフリーに設計しないといけません。
段差は高さに応じてスロープにしたり、昇降機を設置したり。雨天時のことも考える必要があります。
というわけで、我が家がどんな外構にしたか。ポイント別に紹介します。
- 脊髄損傷者(L1)
- 車椅子ユーザー
- 下肢不随
- 体幹あり(だけど健常者と同等ではない)
車椅子ユーザーのために外構で工夫したこと
玄関横をガレージにした
車椅子だと車の乗り降りに時間がかかります。
- ドアを開ける
- 車椅子を横付け
- 車のシートに移乗
- 車椅子を後部座席に収納
乗る場合は上記の手順をこなすため(特に4が時間かかる)、健常者のようにサッと乗り降りできません。
雨が降っていたらその間ずっと濡れることに。身体にも車椅子にも優しくないです。
そこで我が家は玄関横に車寄せスペースを建設しました。雨でも雪でも安心です。
…なのですが、夫は(今のところ)無職で時間に自由がきくからか、天候が悪い日は外に出ないというスタイル。
夫が濡れないために作ったのに真価を発揮せず、私の駐車スペースになってます。
大雨降っても買い物の荷物が多くても(私が)楽ちんでウレシイナー
玄関までスロープ
家には基礎というコンクリートの土台があるため、玄関の位置は必然的に地面の高さより30cm程度上がります。
通常の住宅ですと階段を設置しますが、車椅子ユーザーは階段が使えないため当然スロープです。
工夫も何もないですが、敷地内駐車場から玄関(&横のガレージ)まではスロープを作ってもらいました。
地形の関係でスロープを設置できない場合は、こんな感じの昇降機を設置することになります。
舗装はアスファルトにした
外構が砂利や土のままだと、歩く分には問題ないですが、車椅子だと途端に動きづらくなります。
我が家の車寄せ部分はコンクリートですが、それ以外はアスファルトで舗装しました。(家の裏とか、健常者しか行かないところは砂利)
真っ黒だから何かやだなー、夏は暑そうだなー、と思っていたのですが、結果的にアスファルトでよかったんじゃないか…? と気持ちが変わり始めています。
その理由は、水が浸透していくこと。
水はけがとてもよく、大雨でも水たまりになっているところを見たことがありません。
雨の日でも外に出ないといけない方は、断然アスファルトがおすすめです。
ただコンクリートよりもろいので、メンテナンスコストは上がります。
雪かきしたらポロポロ削れました…。
車椅子ユーザーのための外構で失敗したこと
スロープの勾配がちょっと急だった
これはマジで全車椅子ユーザーに聞いて欲しい…
スロープを作るにあたって指定した勾配は1/12。1/12勾配は角度にして約4.8度です。
1/12勾配って何?という方はこちらの記事が分かりやすいです。
だがしかし。出来上がったものは6度。だいたい1/10勾配です。
工事前の測量中に作業員さんたちが1/12勾配で難色を示していたのですが、できないならできないって言ってよ。(愚痴)
健常者であればなんてことはない坂道なのですが、車椅子ユーザーにはそうでもないようで。
1/10勾配だと身体が衰えたときにキツイ! と、懸命に漕ぐ夫の後ろ姿を見て悲観しました。
ムキムキの上腕を持っていてもスムーズに上っていきません。今後が不安です。
庭を犠牲にしてでも折り返しスロープを作って勾配を緩やかにすればよかったと後悔しました。
庭なんていらんかったんや…。(雑草を見つめながら)
玄関横のガレージがちょっと狭い
敷地と間取りの都合上、どうしようもなかったのですが…玄関横のガレージが微妙に狭いです。
ガレージ幅は約3.5m。対して平均車幅は1.9m。
片方のドアを全開するためには、片方に寄せなければいけない広さになってしましました。
両側のドアを同時に全開することはないのですが、例えば
- 私が運転して2人でお出かけ
- 帰宅時、助手席側を全開できるように停める
- 翌日、夫が運転してお出かけ
ということが出来ないんですよね。2の時点で運転席側はギリギリなので。
だからもし上記のことが起こる場合、夫を降ろした後、私が車の駐車位置を調整することになります。ハイめんどくさいー。
とはいえ、帰宅時に夫が運転すればいい話なので、そこまで大した問題ではないです。
車椅子ユーザーのための外構まとめ
- 車庫なりカーポートなり、駐車スペースには屋根をつける
- 駐車スペースが玄関横だと雨の日でも全く濡れずに外出可能
- 車椅子ユーザーが運転できる場合、駐車スペースは車の両側に余裕ができるようにする
- スロープは1/12勾配だとキツめ…1/15勾配が出来るならそっちのがおすすめ
- 舗装はアスファルトにすると水たまりにならない!
この記事が参考になりましたら幸いです。
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